小さなことでクヨクヨしない、と言われても
切り替えがすぐにできればいいのですが、それがね。
でも良いことがあれば、忘れるものです。
じっとしているより、まずは行動です。
大事を思い立つ者が
小事にかかわることなかれ
江戸中期の劇作家 近松門左循門
「大きなことを成し遂げようとするなら、小さなことを気にしていては
いけない。
できることもできなくなってしまう。
小さなことでクヨクヨするな」ということを、この言葉は表しています。
同じことを、アメリカの思想家ノーマン・ピールは「アップルパイづくり」
にたとえて、実にうまく説明しています。
「アップルパイを上手に作る人は、甘さの調整と焼き具合だけに注意を
払おうとする。上手に作れない人は、リンゴの皮に大きな傷があったら、
『このリンゴはかなり傷んでいるかもしれない』といったように、
その瞬間から気が動転してしまう。そして、そのことだけに意識が向いて
しまうため、肝腎の甘さの調整も、焼き具合もなおざりにしてしまう。
だから、美味しいアップルパイを作ることができなくなる」
美味しいアップルパイを作る際、リンゴの皮に大きな傷があろうと
なかろうと、どうでもいいことです。
気を取られてしまい、パイづくりに失敗してしまうなんて、
バカらしいとしか言いようがありません。
だったら、私たちも「面接でうまくしゃべれなかった」
「プレゼンテーションのできがいまひとつの感じがする」というときは、
「しょせん、アップルパイのリンゴの皮の傷のようなもの。大したことは
ない」と言い聞かせてみるといいと思うのです。
自分にとって取るに足らない小さなことは、相手にとっても取るに足ら
ない小さなことです。
自分が気にしなければ、相手も気にしたりしません。
このことを自覚するだけでも、グンと前向きに生きられるようになります。
(もやもやした感情を整理する8つのコツ 植西聰 水玉舎刊より)